葬儀に花を贈りたい!供花を贈る前にチェックすべき4つのこと

「友人の葬儀にお花を贈りたい。」
「家族の葬儀をお花で飾りたい。」
身近な方の葬儀(葬式)に参列する際にお花を贈りたいと考える参列者の方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?一方、ご家族の葬儀をお花で飾りたいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?
葬儀(葬式)の際に参列者が贈るお花を「供花(きょうか)」と言います。宗教によってはお花以外にも供物として果物や菓子、ロウソクを贈ることもあります。
この記事では、参列者と喪主の2つに分けて、供花の意味や手配方法、贈る花の種類、贈る際のマナー、そして供花を受け取った際の喪主のすべきこと、花祭壇について紹介いたします。
目次
【参列者側】そもそも供花とは故人や遺族への弔意を表すもの
葬儀(葬式)の際に故人や遺族への弔意を表すために贈るお花のことを「供花(きょうか)」と言います。
供花以外にも故人や遺族への弔意を表すためのものとして果物や菓子、ロウソクを贈る「供物(くもつ)」を贈ることもあります。ただし、供物は仏教や神道で贈る慣習がありますが、キリスト教式の葬儀では贈る慣習がないため注意が必要です。
また、供花を1つ贈る場合には「1基(き)」と数え、同じ名前で2つの供花を贈る場合には「1対(つい)」と数えます。
供花を贈る前にチェックすべき4つのこと
友人や知人の葬儀に供花を贈る前にチェックすべきことがあります。このチェックをしないと、喪主・喪家側に迷惑がかかってしまいます。必ず確認しておきましょう。
- 喪家側から供花辞退のお知らせは来ていませんか?
- 喪家側の確認は取れていますか?
- 葬儀の宗教や宗派は把握していますか?
- 通夜に贈る場合は当日の午前中、葬儀・告別式の場合は当日までに届けることができますか?
喪家側から供花辞退のお知らせが来ていたら無理に贈らない
もし喪家側から「ご厚志お断り」といった供花・供物辞退のお知らせが来ていたら、供花や供物は無理に贈らないようにしましょう。
葬儀会場のスペースの問題やお礼の手間を省くなどの理由が考えられます。
無理に送ってしまうと余計に迷惑をかけてしまうため、供花を贈ることは控えておきましょう。
喪家側の確認・宗教(宗派)の把握をしてから供花の手配をする
供花の手配をする際には、喪家側に「供花を贈って良いか」「どのくらいのサイズのものが良いか」を確認し、どの宗教(宗派)の葬儀を行うのかを把握しておきましょう。
この確認がないと、葬儀会場のスペースが確保できていなかったり、せっかく贈っても飾れないというようなトラブルが起きてしまいます。トラブルを避けるためにも早いうちに喪主や喪家に電話やメールなどで確認しておきましょう。
通夜や葬儀・告別式の当日までに手配できるようにする
通夜に供花を贈る場合には当日の午前中までに葬儀会場に届くようにしましょう。葬儀・告別式に贈る場合には当日には届くように手配をしておきましょう。
通夜や葬儀・告別式の始まる間近や遅れてしまうようであれば供花を贈ることは控えた方が良いでしょう。
供花を手配する2つの方法
参列する葬儀に供花を贈る場合に手配する方法は、「葬儀会社に依頼する方法」と「自分で花屋に依頼する方法」の2パターンがあります。訃報の連絡を受けたら、先ほどの4つの点をチェックし、供花を手配しましょう。
また、供花は故人や遺族、親族と親しかった人が贈るのが一般的です。そのため、ご友人や会社の関係者であれば「友人一同」や「株式会社〇〇社員一同」というように複数人で供花を贈ることが多いです。周りの方に相談してから手配をするとよいでしょう。
葬儀会社に依頼する方法
もっとも一般的な方法は、葬儀会社に依頼して手配をしてもらう方法です。会場の雰囲気に合ったものを選んでもらうことができます。
葬儀会社がわかる場合には、その葬儀社に連絡をして手配をしてもらいましょう。
葬儀社がわからない場合には、まず葬儀会場に連絡をとりましょう。葬儀の日程や喪家の名前を伝えて、担当の葬儀会社の名前を教えてもらいます。そして、葬儀会社へと連絡をして、供花を依頼しましょう。
葬儀社に連絡をすると、供花のプランを紹介してもらえます。その中からご自分に合った金額のものを選ぶと良いでしょう。また、葬儀会社におまかせして見積もりを出してもらうということもできます。
供花の費用相場については、こちらをご覧ください。
自分で花屋に依頼する方法
ご自分でお花を選びたい場合は、まず葬儀社に供花の持ち込みが可能なのかを確認しておきましょう。
葬儀社の中には葬儀会場への指定業者以外の供花の持ち込みを禁止している会社があります。その場合、せっかく手配しても持ち込みができないことになってしまいます。必ず確認しておきましょう。
持ち込みが許可されていたら、近くの生花店(花屋さん)に供花の依頼をしましょう。葬儀社に持ち込みの確認をする際に、葬儀会場がどんな雰囲気であるのかを確認しておきましょう。生花店に依頼した供花が雰囲気が違うということも考えられます。
供花の費用は7,000~15,000円が一般的
供花の費用については特に決まりはありませんが、1基(供花1つ)7,000~15,000円が一般的です。また、1対(供花2つ)を贈る場合には倍の14,000~30,000円が一般的な相場です。
あまり高すぎる供花を贈ってしまっても喪主や喪家の方の負担となってしまいます。もし困ってしまったら、葬儀社に連絡する際に相談してみましょう。
【宗教・宗派別】供花として贈るべき花の種類
実は、供花はどの宗教の葬儀に贈るのかによって贈るべき花の種類は違ってきます。そのため、供花を手配する前には必ずどの宗教の葬儀であるかをしっかり喪主や喪家に確認しておくことが必要です。
宗教別に供花として贈るべき花の種類を紹介いたします。
仏教の葬儀で贈る花
仏教式(仏式)の葬儀では、菊やユリが一般的です。それ以外にもカーネーションやデンファレなどの洋蘭を用いることもあります。
菊は平安時代から貴重な花として知られており、長持ちをするという特性や邪気を払うという風習から葬儀で多く用いられています。
色は、白や緑、薄いピンクなどの落ち着いた雰囲気のものを選ぶと良いでしょう。
形としては、籠にたくさんの花を飾った籠盛りが一般的です。もし葬儀会場が広い場合には、フラワースタンドを贈るということも可能です。
神道の葬儀で贈る花
神道で贈る花は、基本的には仏教の葬儀と違いはありません。菊やユリなどを贈ると良いでしょう。
かつての神道の葬儀では、神事でよく使われる「榊」が供花として贈られていました。しかし、現在では祭壇に榊を少し飾ったり、神職である斎主が供えて、他の方々は花を供える形になっています。
キリスト教式の葬儀で贈る花
キリスト教式の葬儀では、ユリやカーネーションなどの洋風の花が用いられます。一方で、仏式や神道の葬儀で多く用いられる菊は使われないので注意が必要です。
ユリ、特に白ユリはキリスト教を代表する花です。
キリスト教のことを描いた宗教絵画のほとんどには、白ユリが描かれています。また、ユリは聖母マリアの象徴ともされ「マリアの花」とも呼ばれ、純潔や美徳のシンボルとされています。
供花を贈る際の芳名名札(札名)の書き方
供花を喪主や喪家を贈る際には、芳名名札(札名)をつけなければいけません。
芳名名札(札名)とは、 供花に添える名札のことで、「株式会社〇〇 代表取締役 〇〇」というように供花が誰から送られたものなのかを表すものです。
芳名名札は、どのような形で贈るかで書き方が異なります。
会社で供花を贈る場合には正式名称で記載する
故人が勤めていた会社や故人と関係のあった会社が供花を贈る場合には、会社の正式名称・肩書き・代表者名をしっかりと記載しましょう。
例えば、NECやSMBCなどの略称は用いずに「日本電気株式会社」や「株式会社三井住友銀行」のように正式名称で記載するようにしましょう。会社名が長くなってしまう場合には、(株)を用いるようにしましょう。
そして、会社の部署で供花を贈る場合には必ず部署名まで入れて「株式会社〇〇 営業部一同」と記載するようにしましょう。部署の供花を連名で贈る場合には、右から肩書きの上の方から記載しましょう。
連名で供花を贈る場合には地位の高い順に記載する
連名で供花を贈る場合には、地位の高い人が順に記載しましょう。
地位がなかったり、不明瞭な場合には、「友人一同」や「〇〇会一同」などにすると良いでしょう。
個人で供花を贈る場合には個人名を記載する
個人で供花を贈る場合には、個人名を記載して贈りましょう。
ただ、供花の数が増えてしまうと喪主・喪家の負担も増えてしまいます。周りの方に供花を贈るかどうかを聞いてから、出来るだけまとめて贈るようにしましょう。
【喪主側】供花についてすべき3つのこと
供花は参列者だけでなく、喪主や喪家もすべきことがあります。
喪主や喪家の方がどんなことをすべきか説明いたします。
(1)供花を受け取るのか明らかにする
まずは、供花を受け取るかどうかを葬儀会社や参列者に明らかにしましょう。これは、一番重要なポイントです。
供花は様々な方からお花をいただくことができ、また葬儀会場を華やかにすることができます。その一方で、故人が供花や供物・香典を辞退するようにと言い残している場合や、参列者に負担をかけたくない、供花・供物のお礼の負担が大きいという場合に供花を辞退することもあります。
供花を辞退する場合には、死亡の連絡や葬儀の連絡をする際にその旨を伝えましょう。
最近の調査では、葬儀をあげられる方の約30%が供花を辞退しています。
(出典:供花辞退の割合|エンディングデータバンク)
ご自身やご家族の状況に合わせて判断しましょう。
(2)供花を飾る
参列者からいただいた供花は、祭壇や葬儀会場に飾るようにしましょう。
しかし、祭壇に飾る場合には祭壇全体のレイアウトに関わることであり、葬儀会場に設置する場合にも会場全体のレイアウトに関わることです。ですので、葬儀会社の方にお任せする、もしくは相談をして飾るようにしましょう。
祭壇に供花を飾る場合には、祭壇中央から故人と近い人から順に飾っていきます。
また、祭壇を花で飾る「花祭壇」の場合や供花でが贈られた場合・キリスト教式の葬儀の場合は、供花を送った方を芳名板に記すという方法で飾られます。
(3)葬儀後にお返しをする
葬儀後には、供花を贈ってくださった方に必ずお返しをしましょう。お返しは、香典返しと同じタイミングに品物にお礼状を添えて贈ります。
お礼状は葬儀会社に相談をすると、作成をしてくれたり、例文をもらうことができます。例文を参考に作成してみましょう。お礼状を多くの方から供花を贈られた場合やご自分、ご家族の負担となってしまう場合には、手書きではなく、印刷して作成しましょう。
葬儀を花祭壇にする方法
伝統的な白木祭壇ではなく、多くの花で祭壇を飾る「花祭壇」を葬儀で選ぶ方が多くいらっしゃいます。2014年には、葬儀を行う方の96%以上が花祭壇を選んでいます。出典:選ばれている祭壇(花祭壇・白木祭壇)|エンディンデータバンク
フラワーショップとして有名な「日比谷花壇のお葬式」の花祭壇は、160,000〜700,000円まで幅広い価格帯でプランが用意されています。プラン以外にも葬儀社との打ち合わせによって、希望するレイアウトの花祭壇にすることも可能です。
花祭壇について詳しくは、
をご覧ください。